「い…今のボク、ちょっとカッコ良くなかった?
ほらほら、こう、肝心なところはビシっと締めて、
『実は切れ者?』みたいな~?」


一旦一つの良い作品に出会うと反芻するかのようにその作品を深く味わう性質でして、今回の『パルフェ』も例外ではなく、思い出したかのように起動してはイベントを繰り返してみてニヤニヤしております。
繰り返し繰り返しプレイして判るのは、これは丸戸シナリオの特長ともいえるが、脇のキャラが非常に活き活きしている事。特に各キャラ個別ルートに入って以降の各ヒロインは完全に「脇」扱いで、主人公と個別ルートのヒロインの引き立て役を全うします。特に玲愛ルートの里伽子は健気。一度でも里伽子トゥルーの内容を知るとその複線の多さと言うか何気ない仕草や台詞の一つ一つに何と意味のあることか…。
んで、その各ヒロインに負けぬほど魅力的に描かれていたのが各サブキャラ。特にキュリオの板橋店長と川端瑞奈は非常に良く書かれておりました(ようやく本題です)。

んでその板橋店長。共通ルートでも玲愛の存在感を強めるため、「駄目店長」「お飾り」みたいな発言を店長自身にさせておりましたが、その実「全てわかった上で馬鹿やっている」的な各発言と、締めるべきところで締める、ただしオチは用意しておく。と言った行動がサブキャラ好きなエロゲヲタの心をくすぐります。
そういう「後ろで馬鹿やりながらまとめる人」と言うキャラは、『パルフェ』にもちょっと出てきた前作『ショコラ』の主人公の父親兼店長こと誠介、コック長バラさんこと榊原さんがそれに当たりますが、こう言うキャラを出したのみならずきちんと活かすことが出来るのが丸戸史明のシナリオ書きとしての良いところ(冒頭の台詞は玲愛トゥルールート内の板橋店長の台詞ですが、そんなキャラを配置した事すら自虐的な小ネタにしてしまうのには恐れ入った)。丸戸シナリオの過去作品でも、「FORKLORE JAM」に神谷刑事と茂蔵さん、「ままらぶ」では主人公の父親桜木昭、丸戸ピンではないが「BALDR FORCE」でも八木澤隊長というキャラが登場しています。

そしてこう言う「肝心なところはビシっと締めて 『実は切れ者?』」と言うキャラは、そもそもの元ネタ的キャラを辿れば、エロゲヲタに限らずちょっと濃いヲタの方々の殆どがお気づきかと思いますが、「パトレイバー」の後藤隊長と言う偉大な先達がいます。ちょっと過去がありそうで、でも普段はオジサンで、呑気な声で、裏がありそうで、主人公を見守りつつけなしつつ馬鹿にしつつ、でも全ての事を判っている、と言う重鎮。若い者の行動(エロゲの殆どが若いモンの行動のみだが)を後ろで見守る役。ただしそのようなキャラを配置するには、綿密な舞台設定と、そのようなキャラを必要とする出来たシナリオが必要になる訳で、その与えられた配役を真っ当出来るシナリオが作れる丸戸史明は、現在のエロゲに限らずゲームのシナリオライターとしては二重丸だと言うことです。

あとついでとばかりに言いたいこととしては、PS2版「BALDR FORCE EXE」のデュアルボイスで、八木澤隊長のPS2版キャスト「大林隆介」って絶対狙ってやったでしょアルケミストの中の人。

しかしこのデュアルボイスって普通なら媚び売りまくりで萎えてしまうのですが…、バルドに関してはサブキャラの漢(おとこ)度に負けました。買ってやろうじゃないの。